3月25日

 

 国立極地研究所は23日、年間を通じた南極域の平均海氷面積が3月1日時点で1978年の衛星観測開始以来の最小値を更新したと発表した。JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の水循環変動観測衛「しずく」の観測データを基にしたもの。

 

 昨年2016年10月中旬には海氷面積が1767.6万平方キロメートルとなり、同月としては観測史上最小の海氷面積を記録していた。さらに今月3月1日には海氷面積が214.7万平方キロメートルとなり、年間を通じての観測史上最小値を更新した。なお2000年から2009年までの年間最小面積の平均は303.2万平方キロメートルであった。

 

 特にアムンゼン海(西経110度付近)から西経160度にかけての沿岸では海氷後退が顕著であるとしている。

 

 

 

(C)国立極地研究所

1978~2017年の各年の南極海における海氷域面積の変動。2016年は水色、2017年は赤色のグラフで示されている。2016年11月(緑丸部分)に、同月における海氷面積が衛星観測史上最小になり、さらに2017年2月末(赤丸部分)には、年間を通じても最少になった。

 

 

 

(C)国立極地研究所、宇宙航空研究開発機構

水循環変動観測衛星「しずく」がとらえた南極域での海氷の分布(2017年3月1日時点。白色部分)。橙色の線は2000年から2009年までの同時期の平均的な海氷縁の分布を示す。