4月15日

 

 NASAは現地時間4月13日、カッシーニ土星探査機及びハッブル宇宙望遠鏡により、土星の衛星である”エンケラドス”から生物が生存するのに必要な水素分子が発見されたと発表した。

 

 エンケラドスから見つかったとされる水素分子は、海底下における熱水の化学反応により生成されると予測されている。水素分子は、微生物が生存していく上で必要な化学エネルギーを生み出すのに必要な成分。海水中に含まれる二酸化炭素と水素分子を取り込むことで、微生物が存在する可能性があるという。よって今回の発見により地球以外の惑星において生物が生存する可能性があることを示唆している。さらに地球以外の惑星・衛星において微生物が存在することを発見できれば、我々地球上の生物がどのように生まれてきたかを明らかにすることができる手がかりにもなるとしている。

 

 カッシーニ土星探査機は2015年10月28日にエンケラドスの”プルーム”(地球で言うところのマントル)に接近し、地表面が海氷で覆われていて、プルームから噴出するガスから水素分子を検出していた。またその噴出するガスの98%が水、1%が水素分子であり、残りは炭素化合物、メタン、アンモニアが含まれていることを発見していた。

 

 

 

(C)NASA

写真は土星探査機カッシーニがエンケラドスのプルームに飛び込んでいく様子を捉えている。2015年に撮影。