6月24日

 

 6月20日(アメリカ現地時間)、NASAはケプラー宇宙望遠鏡により新たに219個の太陽系外惑星候補を発見し、そのうちの10個は岩石型惑星として液体の水を蓄えることができ、生物生存可能性のある(“ハビタブルゾーン”)地球型惑星であることを発表した。

 

 これはケプラー宇宙望遠鏡が観測を始めてから最初の4年間のデータを基に発見。はくちょう座の空を観測対象としている。これまでに4034個の惑星候補が発見され、2335個は太陽系外惑星である。さらにそのうちのおよそ50個はケプラー望遠鏡により生物生存可能な地球型惑星に近いものであることが検知されていて、そのうちの30個はそのことが実証されている。なおケプラー宇宙望遠鏡はトランジット法(観測している惑星が恒星の前を通過した際に恒星の光が減少するのを捉えること)を採用。

 

 加えてケプラー宇宙望遠鏡のデータから、これまでに発見された惑星が2つの小型惑星に分類されることが判明した。1つは岩石質である地球型惑星、もう一つは海王星よりも小さなガス惑星に分類される。そしていくつかの惑星はこれら2つの型の中間に位置するとしている。また一般的に自然に形成される惑星は、地球型惑星よりも1.75倍までの大きなサイズの岩石型惑星になるとしている。この理由は研究者の間でまだ理解されていないが、水素やヘリウムを取り込むことで膨れ上がり大きなサイズになる説が有力である(図1参照)。今後これらの惑星の分類が生物を探すのに重要な役割を果たすとしている。

 

NASAの研究者であるマリオ・ペレス氏は、“発見された惑星が地球型惑星とおおよそ同じ大きさであり、軌道運動をしている点においては、ケプラー宇宙望遠鏡のデータはとても素晴らしい。これらの惑星集団を理解することが、新たな地球を探すNASAのミッションを計画する上で手助けになる”とコメントしている。

 

 

(C) NASA/Ames Research Center/JPL-Caltech/R. Hurt

上図においては2つの分類における惑星の形成の仕方を示している。岩石型惑星はちりが集まってでき、重力によって水素ガス、ヘリウムガスをひきつける。最終的には星の光によって熱が加えられ、ガスが放出される。上の青の領域で囲まれたように、ガスをある程度維持すれば小型海王星のようなガス惑星になり、下の赤で囲まれた領域のようにガスを全て放出すれば地球型惑星となる。