2016年10月29日

 

 国立環境研究所は、季節変動を取り除いた全大気平均二酸化炭素濃度が平成28年2月頃に初めて400ppmを超えたことを発表した。

 温室効果ガス観測技術衛生「いぶき」による観測により、全大気平均二酸化炭素濃度は月別平均濃度では、平成27年12月に初めて400ppmを超え、400.2ppmを記録した。また推定経年平均濃度が平成28年2月頃に400ppmを超え、400.2ppmを記録した。過去1年間で増加した濃度については、平成27年夏頃から平成28年4月にかけて年2.5ppm以上の高いレベルで推移している。なお産業革命前の二酸化炭素濃度は280ppm程度であった。

 本結果は、気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)(11月7日~18日、モロッコ・マラケシュ)において報告される予定である。

 国立環境研究所は引き続き、いぶき(GOSAT(ゴーサット)とも言い、環境省、国立環境研究所、JAXAが共同で開発した、世界初の温室効果ガス観測専用衛星)による観測データに基づく成果の公表を行うとともに、平成29年をめどに打上げを予定している「いぶき後継機(GOSAT-2)」を用いて継続的な温室効果ガス観測を実施し、それらの成果を地球温暖化予測の精緻化に反映させていく予定であるとしている。