2016年12月10日

 

 環境省及び国立環境研究所は6日、2015年度の温室効果ガス排出量(速報値)が13億2,100万トン(二酸化炭素換算)であり、前年度比で3.0%減少したことを公表した。

 減少要因としては省エネの進展や再エネの導入拡大により、エネルギー起源の二酸化炭素排出量が減少したことが挙げられるとしている。

 

 また気候の状況がエネルギー起源二酸化炭素排出量の増減要因となる。夏季の気温下降が冷房需要を低め、二酸化炭素排出量を減少させる。また冬季の気温上昇は暖房需要を低め、二酸化炭素排出量を減少させる。2015年度は前年度に比べ、夏季においては西日本で前線や台風、南からの湿った気流の影響を受けやすく平均気温が低かった。冬季においては冬型の気圧配置が長続きしなかったため、全国的に気温が高く暖冬となった。したがって気候の状況が今回の前年度比におけるエネルギー起源の二酸化炭素排出量が減少した要因であると推定される。

 

 一方でオゾン層破壊物質からの代替に伴い、冷媒分野において利用されているハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の2015年度における排出量は3,940万トン(二酸化炭素換算)であり、前年度比10.2%増加。六ふっ化硫黄(SF6)排出量は210万トン(二酸化炭素換算)であり、前年度比2.7%増加した。六ふっ化硫黄は金属生産における排出量が増加したことに起因しているとされている。

 

 なお今回の速報値については、値を算出する上で必要な各種統計の年報値について、2015年度の値が未公表のものは2014年度の値を代用しており、来年4月に公表予定の2015年度確報値との間で差異が生じる可能性があるとしている。