3月15日

 

 国立天文台は7日、アルマ望遠鏡とIRAM30m電波望遠鏡(スペイン)の観測データを合成することで、オリオン大星雲近くに広がる冷たいガス雲の姿を詳細に描き出すことに成功したと発表した。

 

 オリオン大星雲は多くの赤ちゃん星が生まれる場所であり、地球からおよそ1400光年の距離にある。

 

 いくつにも枝分かれしたオリオン大星雲は非常に低温であるため光を出さず、観測が難しい。今回はアルマ望遠鏡により、ガスに含まれるN2H+分子からの電波をとらえ、更にIRAM30m望遠鏡のデータを組み合わせることで大きく広がったガス雲の全体像と内部の詳しい構造の両方を明らかにすることができたとしている。

 

 

(C) ESO/H. Drass/ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/A. Hacar

アルマ望遠鏡とIRAM 30m電波望遠鏡のデータを合成して得られた、細くのびるガス雲の画像。背景は、欧州南天天文台VLT望遠鏡が撮影した赤外線画像。画像左端がオリオン大星雲の位置に相当し、右側が北の方角。オリオン大星雲で生まれたばかりの巨大な4つの星「トラペジウム」が、画像左端に写っている。