12月9日
図1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, A. Sarajedini,F Niederhofer
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた大マゼラン雲内にある球状星団・NGC2210
ESAは8日、ハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられた大マゼラン雲内にある球状星団・NGC2210の画像を公開した(図1)。たくさんの星が散りばめられ、全体としてきらびやかに写る姿が印象的である。また星の質量による住み分けが起きており、中心付近には質量の重い青い星が集中し、そのまわりに質量の軽い赤い星が集中していることがわかる。
大マゼラン雲は地球からおよそ157,000光年離れた場所にあり、天の川銀河の伴銀河として知られている。また球状星団は数万から数百万個の星が自己重力によって集まった天体であり、古くから存在する天体として知られる。
図1の画像は2017年にハッブル宇宙望遠鏡のデータ解析によって大マゼラン雲の代表的な球状星団の画像として作成されたが、その際球状星団・NGC2210が天の川銀河のハロー(外縁部)の球状星団と同じ年齢であり、約116億年前にできた天体であることが判明した。大マゼラン雲と天の川銀河がそれぞれ独立に形成されたにも関わらず、それぞれの球状星団が同時期にできたことは、とても興味深いものである。また宇宙年齢が約138億年であることを考えると、これらの球状星団がとても古くから存在していたことが伺える。しかし大マゼラン雲内にある他の球状星団はNGC2210よりももっと古くからある天体であることがわかっており、このうちの4つは130億歳を超えるものであることがわかっている。
図1の画像をみるとたくさんの星が散りばめられており、特に中心付近では密度が高い。中心付近にある星のまわりに惑星があったとして、その惑星は生物生存可能性がないが、もしそこに住めたとしたら、地球の星空の数千倍ほどの星が集まった星空が眺められることになるとしている。