1月20日
図1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, A. Filippenko.
ハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられた銀河・UGC 5189Aの姿。しし座方向約1億5000万光年離れた場所にある。
ESAは15日、ハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)によって捉えられた比較的小さな銀河・UGC 5189Aの最新の写真を公開した(図1)。写真を見ると銀河の形は平らであるものの、いびつな形をしている。銀河の右側ではガスと塵が湧き出すように広がっているが、中央と左側ではまばらに広がっている。また銀河の下には暗く映る塵が広がっており、ここから左上に向かって塵が流れていき、銀河左にある3つの斑点につながっている様子がわかる。
UGC 5189Aはしし座方向約1億5000万光年離れた場所にあり、2010年に超新星(*注1)・SN 2010jlというイベントが起きた銀河として知られる。この超新星は3年以上も続き、単位時間当たりの太陽から電磁波として放出されるエネルギー量のおよそ25億倍もの電磁波を放出した。この超新星が終わった後、さらなる研究者の興味として、その超新星がどのような環境下で起きたかの研究が行われるようになった。この研究によって他の超新星がどのようにして起きるかを理解することにつながると考えたためである。また超新星が終わった後に、その超新星が周りにあるガスや塵、超新星残骸にどのような影響を与えたかの研究も行われるようになった。
UGC 5189Aは2010年以降HSTによってたくさんの観測が行われてきた。今回公開された写真は最新の3つのデータを解析して得られたものである。また最新のデータを解析した結果、UGC 5189Aで起きる超新星はおよそ1億光年離れた近傍銀河の影響によって駆動されるとの研究報告も出されている。
*注1 星が爆発を起こし、明るく輝く天体のこと。爆発の要因は様々なものがあり、連星からの質量降着や、星が生涯を終える際の重力崩壊によるものなどがある。