巨大星が起こした超新星の残骸を最新鋭カメラが捉えた

6月29日

 

 

 

写真1 ( C ) ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: Cambridge Astronomical Survey Unit.

ESOのVLT望遠鏡が捉えたほ座超新星残骸の姿

 

 ESOは24日、VLT望遠鏡によって観測された超新星が起きた後に残った星の残骸、ほ座超新星残骸の写真を公開した(写真1)。X字形に伸びた糸状構造が明るく輝いている。

 

 超新星は星が生涯を終えたときに起きる爆発現象のことである。今回観測対象となった場所では今から11000年前に巨大星がその生涯を終え超新星を起こしたと考えられている。この超新星が起きるとまわりのガスで衝撃波が発生し、ガスが圧縮されることで糸状の複雑な構造ができる。超新星が起きている間は糸状構造が熱せられ、明るく輝き続ける。ほ座超新星残骸は地球からおよそ800光年離れた場所にあり、地球から最も近くで起きた超新星の残骸の一つである。

 

 今回VLTに搭載されたOmegaCAMによってほ座超新星残骸の詳細な姿が捉えられた。OmegaCamはVLT望遠鏡に搭載された高性能カメラであり、紫外線(350nm)から赤外線(1マイクロメートル)まで幅広い波長帯での観測が可能である。

 

 今回の観測によって超新星の詳細な姿が捉えられ、星が生涯を終えたときに何が起きるのかを理解する上で重要な資料になるとしている。