1月25日

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA.
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した球状星団。左はNGC 3201、右はMessier 70。NGC 3201は密度が低く、中心から外側にかけて星が広がっている様子がわかる。その一方でMessier 70は中心密度が高い様子がわかる。
Francesco R. Ferraro氏(イタリア・ボローニャ大学)を中心とする国際研究チームは21日、ハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)の紫外線によって観測された、天の川銀河にある48もの球状星団内にある3,000個の青色はぐれ星の観測データを解析した結果、青色はぐれ星が球状星団の密度が低いほど、多く存在することを発見したと発表した。これまでは、青色はぐれ星が密度の高い球状星団内の星の衝突によってエネルギーを得て若さを維持し、青く光り輝き続けられると考えられていた。しかし連星系を維持しやすい密度の低い球状星団において、連星系を成す青色はぐれ星が、伴星からの質量降着によってその若さを維持し続けられることが判明した。
青色はぐれ星は、HR図でいうと主系列からはずれた星であり、球状星団内に多く存在する。球状星団内で数十億年前に形成された星同士を比較すると、青色はぐれ星は、大質量で高温のために、他の星よりも若々しく見える。70年以上もその形成過程・進化について研究が行われていたが、未だに多くの謎が残されたままである。また青色はぐれ星が、星同士の衝突、もしくは連星系の重力相互作用によってできたものであるかどうかは、ここ数十年で多くの議論がなされていた。
今回研究チームは、HSTの紫外線観測によって観測された天の川銀河内の48もの球状星団のデータから3,000個の青色はぐれ星を選び、データ解析を行った。球状星団は例えば写真1左のように密度の低い球状星団・NGC 3201や、写真右のように密度の高い球状星団・Messier 70が含まれている。この多くのデータ量によって、青色はぐれ星が周りの環境とどのような相互作用を行っているかが調査することが可能となった。
データ解析の結果、密度の高い球状星団では、予想以上に青色はぐれ星の数が少なく、密度の低い球状星団で多くの青色はぐれ星が存在することが判明した。この要因について研究チームが検討した結果、密度が低いことで、連星系を成す青色はぐれ星が生き残りやすくなるとの結論に至った。Francesco R.Ferraro氏は、「今回の研究結果は、まわりの環境が星の成り立ちに重要な役割を果たすことを示した。密度の低い環境が連星系を維持しやすくし、青色はぐれ星が輝き続けられる」とコメントしている。青色はぐれ星は連星系をなすことで、伴星から質量を吸収し、青く光り輝き続ける燃料としている。そのため、年老いることなく若さを保ち続けることが可能である。もし連星系が密度の高い環境にあると、周りの星との衝突によって連星系を維持することが難しくなり、青色はぐれ星が形成されなくなるとしている。
共同研究者であるBarbara Lanzoni氏は、「今回の研究結果は、星が数十億年でどのように進化してきたかを示してくれた。そして地球上にいる生命体のように、周りの環境が星の進化に影響を及ぼすことを示した」とコメントしている。