6月27日

 

 

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, A. Sarajedini, G. Piotto.

ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された球状星団・NGC 6723の姿。

 

 ESAは26日、ハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)によって撮影された球状星団・NGC 6723の写真を公開した(写真1)。星団の中心付近に質量の重い青い星が多く分布し、周りにいくにつれて質量の軽いオレンジ色の星が多く存在する様子がわかる。写真全体を明るい星が覆っており、まるでシャンデリアのように美しい姿をしているのが印象的である。

 

 NGC 6723は、いて座方向約27,000光年離れた場所に位置する球状星団である。球状星団は、数万から数百万個の星が自己重力によって集まった天体であり、その星々の年齢は100億年を超えていると考えられている。また天の川銀河で最初に形成された天体であると考えられており、太陽系が作られた時期(約46億年前)よりも数十億年前にできあがったと考えられている。天の川銀河で球状星団はおよそ150個以上見つかっているが、球状星団を覆い隠す塵や、その周りの無数の星々の影響によって、未だに見つかっていない球状星団も存在すると推測されている。

 

 球状星団を構成する星々は、同時期に同じ化学組成で形成されたものであると従来考えられてきたが、HSTのような観測装置の精度向上によって、異なる時期に別々にできあがった星団の混成であるとする理論が考えられるようになってきた。

 

 2006年に行われた観測プログラム(HSTによる天の川銀河内の65もの球状星団の観測)では、HSTの可視光線と近赤外線で撮影された球状星団のデータを解析することによって、NGC 6723がmass segregation(質量による住み分け)を起こしていることが判明した。これは質量の重い青い星と質量の軽いオレンジ色の星が、重力相互作用によって前者がエネルギーを失って星団中心に沈み込み、後者がエネルギーを得て星団の外側に向かっていくという現象である。また2013年に2回目の観測が行われ、新たに紫外線による観測も加わった。この観測では、星団が2回に分けて星形成が行われたことを示し、2回目の星形成が6億3,400万年という短い期間で行われたことが判明した。