2月21日

写真1 ( C ) NASA, ESA, D. Li (Utoronto), Image Processing: J. DePasquale (STScI).
青白い星が点在しているが、この背後に暗黒銀河候補が存在し、4つの球状星団を含む。写真からは見えないが、中央に球状星団が存在する。
David Li氏(トロント大学・カナダ)を中心とする国際研究チームは18日、ハッブル宇宙望遠鏡等の観測により、地球から約3億光年離れた場所にあるペルセウス座銀河団の中にある暗黒銀河候補(CDG-2)の詳細な姿を捉えることに成功したと発表した(写真1)。ほとんどがダークマターで構成されており、4つの球状星団を含むことが確認できたとしている。また通常の銀河に比べて星の数は少なく、約100万個のわずかながらに光る星が存在する。
宇宙に存在する銀河はほとんど明るく輝いているが、ほとんど目に見えない銀河も存在する。ほとんど目に見えない銀河は、大部分がダークマターで構成され、わずかながらかすかに光る星が存在する程度である。このうち特にほとんどがダークマターで構成される銀河は、暗黒銀河候補・CDG(Candidate Dark Galaxy)と呼ばれ、CDGのうちの一つであるCDG-2はこれまでに詳細な姿が捉えられたことはなかった。
今回研究チームは、これまでに特定されたことのある10個もの光の弱い銀河と重力により強く結びついた球状星団を含む2個の暗黒銀河候補に注目した。特に球状星団を含んでいると、球状星団が周りを照らしてくれるため、目に見えない星を見つけやすくなる。また球状星団は潮汐破壊の影響を受けにくく、暗黒銀河候補の発見に最適であると考えられていた。そこで暗黒銀河候補の詳細を捉えるべく、地球から約3億光年離れた場所にあるペルセウス座銀河団の中にある球状星団を含むCDG-2をHSTとユークリッド宇宙望遠鏡、すばる望遠鏡を用いて観測することとした。その結果、CDG-2周りに近距離にある4つの球状星団を捉えることに成功した(写真からは明確に見えないが、写真1中央に存在する)。そしてこれらの球状星団のデータ解析を行った結果、球状星団周りにかすかな光を特定することに成功した。このことは、これらの球状星団周りに銀河が確かに存在することの強い証拠になるとしている。Li氏は「球状星団の観測を通じて暗黒銀河候補の詳細な姿が観測されたのは、今回が初めてであり、今回発見された4つの球状星団が、すべてCDG-2に含まれていることが確認できた」とコメントしている。
さらに、CDG-2はおよそ太陽に似た星が100万個ほど存在すると推測され、目に見える物質のおよそ16%が球状星団であることが判明した。またCDG-2の99%がダークマターであり、星の材料となる水素ガスはペルセウス座銀河団周りの銀河の重力によってばらばらにされる可能性があるとしている。