4月4日

 

 

写真1 ( C ) ESA/Webb, NASA & CSA, ESA/Hubble, ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), G. Duchêne, M. Villenave.

JWSTが捉えた2つの原子惑星系円盤の詳細な姿。

 

 ESAは3日、ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡(以下JWST)の近赤外線観測装置・NIRCamと中間赤外線観測装置・MIRIによって撮影された、2つの原子惑星系円盤の詳細な写真を公開した(写真1)。左側の原子惑星系円盤は、おうし座方向約450光年離れた場所に位置し、Tau 042021と名付けられた。その一方で右側の原子惑星系円盤は、へびつかい座方向約480光年離れた場所に位置し、Oph 163131という名前がつけられた。それぞれ特徴が異なるのが印象的である。左側の写真は中心にある若い星から上下方向にジェットが放出されており、右の写真では黄色い塵の円盤の上下において、紫色の丸い突出部が形成されている様子がわかる。

 

 原始惑星系円盤とは、産まれたばかりの星周りに形成されるガスと塵で構成された円盤である。ガス塊同士が衝突することで星が形成されるが、星の材料となり得なかったガスや塵が、星周りに分厚い円盤を作る。そして長い年月をかけて、この円盤の中にある塵が衝突合体を繰り返すことによって微惑星ができあがり、やがて惑星ができあがると考えられている。原子惑星系円盤にあるガスは、中心にある星からの放射線によって外部に吹き飛ばされ、ガスが完全になくなると原始惑星系円盤はなくなることとなる。我々が住む太陽系もかつてはこの原子惑星系円盤から始まった。したがって天の川銀河にある他の原子惑星系円盤をみることによって、太陽系の形成過程を理解することにつながる。

 

 今回公開された写真1を見ると2つとも原子惑星系円盤のエッジ側が見えており、中心星の光がブロックされている。しかし原始惑星系円盤が多様な色で表現されており、ここからどのような化学組成をしているかを読み取ることが可能である。赤色は水素分子(H2)、オレンジ色は一酸化炭素(CO)、緑色は多環芳香族炭化水素(PAHs)があることを示している。