4月11日

写真1 ( C ) ESOのVLT望遠鏡によって撮影された若い星・WISPIT 2周りで観測された2つの惑星の姿。これらの天体を構成する原子惑星系円盤で、綺麗な隙間構造・リング構造ができあがっているのが印象的である。
Chloe Lawlor氏(アイルランド・ゴールウェイ大学・ポストドクター)を中心とする研究チームは3月24日、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT望遠鏡を用いた観測により、若い星・WISPIT 2周りにおいて、2つのガス惑星を発見することに成功したと発表した(写真1)。これらの天体によって構成される原子惑星系円盤が、我々が住む太陽系の若い時の姿を表現しており、太陽系形成過程の理解にもつながる重要な観測結果であるとしている。
2つの惑星が直接観測された原子惑星系円盤は、PDS 70と呼ばれる系が最初に発見されており、今回は2例目である。
2025年に、Lawlor氏を中心とする研究チームが、WISPIT 2においてWISPIT 2bと呼ばれる惑星を発見していた(写真1・外側の軌道)。
今回研究チームは、VLT望遠鏡に搭載されたSPHEREと呼ばれる天体の直接撮像を行える機器を用いて、新たにWISPIT 2cと呼ばれる惑星を発見することに成功した。これでWISPIT 2が2つの惑星を持つことが確認されたが、PDS 70と異なるのは、WISPIT 2が幅広い原子惑星系円盤を持ち特徴的な隙間構造、リング構造を持つことである。「これらの特徴は、WISPIT 2において、もっと多くの惑星が形成されつつあることを示唆する」とLawlor氏はコメントしている。
WISPIT 2bは木星質量の約5倍の質量を持ち、中心星との距離は、地球-太陽間距離のおよそ60倍であることが2025年の観測で確かめられていた。今回発見されたWISPIT 2cは、中心星-WISPIT 2b間距離のおよそ1/4、質量はWISPIT 2bのおよそ2倍であることが確かめられた。またこれら2つの惑星が、ガス惑星であることも確認された。また写真1を見ると、綺麗な隙間構造ができあがっている様子がわかる。円盤の中で塵が集まって惑星の胎芽ができあがり、材料として使われなかった塵が周りに寄せられるため、綺麗な隙間構造、リング構造ができあがるとしている。
写真1を見ると、WISPIT 2bのある隙間の外側にもう一つ隙間構造があることがわかる。「ここには土星と同じくらいの質量を持つ第3の惑星が存在する可能性があり、その隙間構造は狭くて浅いものになるだろう」とLawlor氏はコメントしている。現在建設予定のELT望遠鏡によってその全容が明らかになることが期待されている。