5月9日

写真1 ( C ) ESA/Webb, NASA & CSA, A. Pedrini, A. Adamo (Stockholm University) and the FEAST JWST team.
ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡の近赤外線観測装置・NIRCamとハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された、近傍銀河・M51の渦巻腕の一部を示した写真。赤色とオレンジ色(イオン化されたガスや塵、多環芳香族炭化水素から放出される近赤外線)で示された領域に星形成領域がある。シアン色はハッブル宇宙望遠鏡が捉えたガス雲がある場所を示し、隙間から星団が輝いている様子がわかる。
Angela Adamo氏(ストックホルム大学)を中心とする研究チームは6日、ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡(以下JWST)の近赤外線観測装置・NIRCamとハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)の可視光観測装置を用いて4つの近傍銀河(写真2)を観測した結果、9,000個もの若い星団を観測することに成功したと発表した(写真1にその一部を示している)。ガス雲の中で生まれたばかりの星団が、周りのガスを散乱し、可視光でも観測することが可能なことから、今回の発見に至った。また分光観測により、これらの星団の質量と年齢を特定することが可能となった。最も質量の重い星団は500万年前に生まれ、質量の軽い星団は700~800万年前に生まれた星団であるとしている。これらの観測結果は、質量の重い星団の方が早く形成されやすいことを示しており、銀河形成や惑星形成の理解にもつながる重要な観測成果であるとしている。
ガス雲が重力収縮によって潰れることによって星はできあがり、星団が形成されていく。星団ができあがると、星風や強力な紫外線、超新星によって、残されたガス雲が吹き飛ばされていく。こうして星形成は止まる。このような星団形成の成り立ちを研究することが、銀河における星形成の疑問を解決する上で必要であると考えられている。
今回研究チームがJWSTとHSTによって4つの近傍銀河を観測した結果、9,000個もの若い星団を観測することに成功した。また質量の重い星団の方が早く形成されやすいことを示した。Angela Adamo氏は「星形成のシミュレーションによって星団形成の成り立ちを研究しているが、今回の研究成果によって新たな制約が加えられることとなる」とコメントしている。

写真2 ( C ) ESA/Webb, NASA & CSA, A. Pedrini, A. Adamo (Stockholm University) and the FEAST JWST team.
今回観測された4つの近傍銀河。左上がM51、右上がM83、左下がNGC 4449、右下がNGC 628。