5月16日

 

 

写真1 ( C ) ESA/Webb, NASA & CSA, A. Leroy.

JWSTの中間赤外線観測装置・MIRIによって撮影された、棒渦巻銀河・M77の姿。

 

 ESAは7日、ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡(以下JWST)の中間赤外線観測装置・MIRIによって撮影された棒渦巻銀河・M77の写真を公開した(写真1)。回折スパイクが出るほどの強力な光が銀河中心部から発せられており、渦巻腕や銀河円盤における塵の分布の様子がしっかりと写し出されている。

 

 M77は、くじら座方向約4,500万光年離れた場所に位置する。1780年に初めて発見されたが、このときは単一の星雲であると考えられていた。また最近では、実際に目で見ることは難しいものの、星形成が活発に行われている銀河として知られていた。

 

 写真1を見ると、銀河中心部にある光が見事に銀河全体を照らしているように見えるが、可視光線で捉えることは難しく、JWSTの集光力によって水素ガスの分布を捉えることで、このような綺麗な写真が撮影されている。中心部は明るく輝いているが、ここには太陽質量の約800万倍の質量を持つ超巨大ブラックホールが存在し、強大な重力によって集まったガスが、ブラックホールの高速自転によってお互いにぶつかり、高温になっていくことで、強大な光を発すると考えられている。このような構造は活動銀河核(AGN)と呼ばれている。そしてこの強大な光によって、8方向に伸びる回折スパイク(6角形の鏡とその支柱による影響)が写し出されている。

 

 また銀河中心部は棒構造をしており、そのまわりを直径約6,000光年のスターバーストリング(星形成が活発に行われているリング)が囲んでいる。写真1では、中心周りのオレンジ色の泡構造をした部分が、スターバーストリングである。M77は比較的、地球に近いため、スターバーストリングを研究する上で格好の観測対象となっている。

 

 また写真1の中で、青色の部分は塵の粒子が存在している場所を示しており、巨大な渦構造を作り上げている。この渦構造は、その中でできるフィラメント構造によって、空洞が作られている。またこの塵の渦構造の中の所々で、オレンジ色の泡構造ができているが、ここでは星団が形成されていると考えられている。