6月6日

画像1 ( C ) ESO/M. Kornmesser, L. Calçada.
主星(左下)と磁場(青い線)を持つ太陽系外惑星(右上)のイメージ図。
Julia Seidel氏(フランス・ラグランジュ研究所)を中心とする研究チームは2日、ESOのVLT望遠鏡とジェミニ北望遠鏡を用いた観測により、7つの木星型惑星である太陽系外惑星の風の強さを観測した結果、磁場が存在することの強い証拠を発見することに成功したと発表した。極端な環境により強く吹くはずである風が、予想外に弱いことが判明し、磁場による影響であると研究チームは結論づけた。このような磁場が存在することは、生命の存在を守ることにつながるため、これらの太陽系外惑星に生命が存在するかを理解することのステップになるとしている。
磁場は当然地球上にも存在するが、地球上の磁場は、宇宙から飛来する人体に影響のある宇宙線を捉える効果があり、北極や南極では緑色やピンク色、紫色のオーロラとして観測される。また磁場は木星や土星でも観測されている。しかしながら、これまでに太陽系外惑星において直接磁場が観測されたことはなかった。
今回研究チームは、地球上の環境とは異なる7つの太陽系外惑星において、風の強さを測ることを目的としていた。これらの太陽系外惑星は木星型惑星であり、月が地球に向かって1面しか見せないのと同様に主星に対して常に同じ面を傾けており、半分は常に明るいために暑い環境であり、もう半分は主星からの光が当たらず、常に暗い状態のため寒い環境となっている。このような環境にある場合、極端に強い風が吹くことが予想され、7,200km/h~25,000kmというすさまじい速さの風が吹くと予想されていた。ちなみに木星では風が速く吹くと1,500km/hになることが観測の結果わかっている。
実際に7つの太陽系外惑星の観測を行った結果、予想に反して暑い環境にある惑星であるほど、風の速さが遅いことが判明した。なぜこのような結果になるかを推測した結果、その惑星において磁場が存在する場合に、強い風の動力源であるエネルギーを持った粒子を捉えることで、風の速さが遅くなるという結論に至った。この効果はmagnetic dragと呼ばれる。そしてこれらの太陽系外惑星の磁場の強さが土星の4倍ほどであり、木星の半分ほどであることが判明した。
研究チームの一人であるBibiana Prinoth氏(スウェーデン・ルンド大学ポスドク)は、「今回観測した7つの太陽系外惑星のような惑星で、半分は恒久的に昼、もう半分は恒久的に夜という世界で、星だけでなくオーロラが夜空に浮かぶ様子が捉えられることを期待している」とコメントしている。
研究チームは今後完成予定のELT望遠鏡によって、木星型惑星である太陽系外惑星だけでなく、地球型惑星である太陽系外惑星においても、磁場の観測を行い、オーロラが存在するかどうかを確かめていきたいとしている。