7月25日

 

 

画像1 (C) ESO/M. Kornmesser.

太陽系外惑星系・CD-35 2722のイメージ図。今回発見された太陽系外衛星が真ん中に示されており、左側に太陽質量の半分の質量を持つ中心星・CD-35 2722、右側に惑星である褐色矮星が示されている。この褐色矮星は木星質量の約37倍の質量があるとしている。

 

 Kevin Hoy氏(ESO)を中心とする研究チームは22日、VLT望遠鏡を用いて太陽系外惑星系・CD-35 2722を観測した結果、この系の惑星である褐色矮星周りにおいて、衛星が存在する兆候を発見することに成功したと発表した(画像1)。褐色矮星の微妙な揺れを観測し、これが衛星の影響によるものであると研究チームは結論づけた。これがもし衛星であることが確定した場合、太陽系外で初めての衛星の発見となり、研究チームは「太陽系外衛星」と名付けた。今回の発見は、惑星系の形成過程や進化の多様性を理解することにつながるとしている。

 

 太陽系外惑星系・CD-35 2722の中心星は、太陽質量の約半分の質量であり、その周りを褐色矮星が公転している。この褐色矮星は質量が重すぎて惑星になれなかったが、核融合を起こすほどの質量がなく、星になることができなかった天体である。

 

 これまでに太陽系外惑星は6,000個以上発見されているが、太陽系外衛星候補天体はあまり見つかっていなかった。

 

 今回研究チームはVLT望遠鏡による観測によって、CD-35 2722の惑星である褐色矮星周りを公転する衛星が存在する兆候を発見することに成功した。VLT望遠鏡に搭載されたCRIRES+と呼ばれる観測装置で天体の動径速度を観測することが可能であり、CD-35 2722にある褐色矮星の微妙な揺れを観測することに成功した。この動きが褐色矮星周りの衛星の影響によるものであることが今回の研究成果の根拠であるとしている。研究チームはこの天体を太陽系外衛星と名付けており、最低でも木星と同じくらいの質量を持ち、数倍になる可能性もあるとしている。また太陽系外衛星が公転する褐色矮星の質量が木星の約37倍の質量を持つことが判明した。いわば太陽系における月を太陽系外惑星系で認識したということになるが、地球と月とは化学組成が異なるため、単純に太陽系における惑星と月のような関係で定義することができないとしている。

 

 今回の発見は画期的であり、惑星系の形成過程や進化の多様性を理解することにつながるとしている。今後運営予定のELT望遠鏡によって、さらなる太陽系外衛星の発見につなげていき、惑星系の理解が進むことが期待されるとしている。