9月23日

 

 

写真1 (C) ESA/Hubble & NASA.

ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された球状星団・M70の姿。

 

 ESAは2012年4月9日、ハッブル宇宙望遠鏡に搭載されたWFC(wide field camera)によって撮影された球状星団・Messier 70(M70)の写真を公開した(写真1)。数十万個の星が自己重力によって球体に集まっており、中心部分は星が密集して、明るく輝いている様子がわかる。

 

 M70は天の川銀河の中心付近に存在する球状星団であり、いて座方向約30,000光年離れた場所に位置する。直径は約68光年であると推測されている。1780年にフランスの天文学者・Charles Messier氏によって発見され、Messier天体の70番目のカタログとして登録されている。

 

 一般的に球状星団内の星は、共通重心の周りを円軌道運動するものや、球状星団の縁の方に行って、あまり円軌道運動しなくなるものも存在する。球状星団内の星は長い時間をかけて重力相互作用をしており、重い星と軽い星が相互作用すると、軽い星はエネルギーを得て球状星団の縁の方に行くようになり、重い星はエネルギーを失って球状星団の中心に沈み込む。

 

 M70も同様に重い星と軽い星の相互作用が起きているが、中心部分が重力崩壊を起こしており、大きなエネルギーを生み出している。このような重力崩壊は、天の川銀河に存在する150個ほどの球状星団の1/5で起きていると考えられている。