10月10日

 

 

写真1 (C) NASA, ESA, CSA, STScI; Image Processing: A. Pagan (STScI).

JWSTによって撮影された星団・NGC 7129の一部。

 

 ESAは6日、ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡(以下JWST)によって撮影された星団・NGC 7129の一部の写真を公開した(写真1)。中心に重い星・LkH 234があり、双極方向にジェットが放出されている様子がわかる。左右色が異なり、くぼみのある分子雲が広がり、この中でもさらに星形成活動が行われている。

 

 星団・NGC 7129は、地球から約3,300光年離れた場所にあり、様々な星形成段階にある星が存在する。

 

 写真1中央に写る星・LkH 234は、太陽質量の約5~8倍の質量を持ち、前主系列星(原始星)の段階にある。この段階にある星は、重力によって周りからガスや塵などの物質を集め、やがて温度が上がっていく。そして太陽と同じように自身の持つ水素を燃料として使い始める。

 

 写真1左には、くぼみのある金色をした密度の高い水素分子雲が広がっている様子がわかる。このガス雲は3.5光年の長さに広がっており、進化過程の初期段階にある中心星からのジェットによってくぼみが作られている。このジェットと星の光によって周りのガスのエネルギーが高められ、分子雲が光り輝いている。また中心星のジェットによって吹き飛ばされたガス雲は、圧縮されてさらなる星形成活動が行われる。くぼみの中にいくつかの青くて若い星の姿があるが、これらの星も前主系列星であり、恒星風を吹き出している。この恒星風によって弧状衝撃波が起こり、周りにくぼみを作っており、ここでも新たな星形成活動が行われる。

 

 中心星とくぼんだガス雲の中で生まれた星は、光解離(紫外線などの十分なエネルギーを持つ光子により照射されて、分子が解離されること)によって冷たくて密度の高い分子雲とは対照的に、温かい領域を作り出す。この温かい領域が数百万年かけて冷たい分子雲に働きかけて、星形成活動を阻害する要因となる。

 

 写真1右には、左側と同じようにくぼんだ水素分子雲が広がっているが、赤色をしている。この領域には、前主系列星よりも前段階にある原始星が存在し、周りは冷たい分子雲が圧縮されはじめたばかりの段階にある。この段階にある星も、やはり重力によって周りの物質を集めてジェットを吹き出す。そして衝撃波によって周りに渦のような構造が作り出されている。