10月17日

 

 

写真1 (C) ESA/Hubble & NASA, M. Monelli.

ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された球状星団・NGC 1786の姿。

 

 ESAは2025年7月14日に、ハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)によって捉えられた球状星団・NGC 1786の写真を公開した(写真1)。中央部分に青白い星が密集して明るく輝いており、外側にかけて星が拡散し薄暗くなっていく様子がわかる。またオレンジ色の星が外側に多く存在する様子がわかる。

 

 NGC 1786は、天の川銀河の伴銀河である大マゼラン雲内に存在し、かじき座の中にある。大マゼラン雲は地球から約16万光年離れた場所にある。1835年にJohn Herschelによって発見された。

 

 球状星団は銀河形成初期から存在する天体であり、銀河形成過程を紐解く上で重要な天体である。かつて球状星団は、同時期に爆発的星形成によって形成された天体であると考えられていたが、様々な観測によって、どうやら別の時代に形成された星の集団が集まってできた天体であるというのが通説となった。このことを証明するために、NGC 1786の球状星団の形成過程を理解することが必要となる。そしてこのことが、大マゼラン雲や天の川銀河の形成過程の理解につながるとしている。

 

 写真1の画像は、球状星団の形成過程を解き明かすべく、HSTによって大マゼラン雲や天の川銀河にある球状星団の詳細な姿を捉えるプログラムの1つとして捉えられた画像である。 青白い星が中心に多く存在し、オレンジ色の星が外側にかけて多く存在している様子がわかる。このことは、重い星(青白い星)と軽い星(オレンジ色の星)が重力相互作用を行い、重い星がエネルギーを失って中心に沈み込み、軽い星がエネルギーを得て外側に向かうという、質量による住み分け(mass segregation)が起きていることを示唆している。