Hall-MHDシミュレーション

 

ここではプラズマ物理学を扱い、磁気流体力学計算シミュレーションを使って、磁場の変動による様々な物理量の変化を見ていきます。また無衝突プラズマ中の小さな領域において、イオンと電子が異なる運動をする様子のことをHall効果と呼びますが、この効果を用いてシミュレーションを行ったときにどのような物理量の変化が現われるかを示しています。以下に今回のシミュレーションの初期条件の概要を示していきます。

 

太陽から地球に向かって太陽風と呼ばれる高速のプラズマの流れが存在します。また地球と太陽の間のショックフロントと呼ばれる場所において、地球磁場と太陽磁場は上下逆方向にあると仮定します。この磁場を10*tanh(ハイパボリックタンジェント)関数で表現します。また、ある2次元の領域を考えて、左右両方向からプラズマの流れがあると想定します。水平方向をX軸、垂直方向をZ軸とします。このような条件で時間を進めていくと以下のように、最初に設定した磁場の強さが大きくなり、真ん中上下方向に、ホール電流と呼ばれるY方向(奥行)の電流が流れるようになります。中心付近のプラズマ密度も高くなります。また初期条件で設定した磁場はY方向の磁場は存在しませんが、時間経過とともに、Y軸方向の磁場の変化が現れるようになります。この磁場の変化がオーロラの波を表すのかもしれません。

 

 

Z方向の磁場の強さの図。絶対値が15ほどまで強くなっている様子がわかる。

 

 

Y方向の電流の強さの図

 

Y方向の磁場の強さの図

 

プラズマ密度の図