ファン・デル・ポル方程式

 

上のアニメーションはファン・デル・ポル方程式を2次元でアニメーションにしたものです。

 

中心からの距離をrとして、青色の物体は初期値1、緑色の物体は初期値4としています。青色の物体、緑色の物体とも初期値は違いますが、円運動を行いながら、リミット・サイクルと呼ばれるピンク色の線に近づいていきます。そして両物体ともピンク色の線を超えることはありません。

 

ファン・デル・ポル方程式は、周期性を持たないエネルギー源によって励起される振動を表す方程式です。もともとは3極真空管の自励振動の過程を記述するものとして導かれました。ファン・デル・ポル方程式は正準方程式で表され、qとpが0で不動点、そのまわりの線形化方程式の力学行列の固有値を用いて解の安定性を議論することができます。初期条件によって原点が不安定な渦状点になったり、漸近安定な渦状点になったりします。今回の場合は、原点は不安定な渦状点です。

 

リミット・サイクルとは、複数の点の運動が、ある周期軌道に漸近してくる場合のその周期軌道のことを言います。今回の場合では中心からの距離r=2付近のところに、リミット・サイクルがあることがわかります。ファン・デル・ポル方程式を変形し、時間を無限大に持っていくと、リミット・サイクルを求めることができます。