ベナール対流

べナール対流

 

 

 べナール対流とは、自然発生する気塊の対流現象です。地面に高温の気塊、上空に低温の気塊がある場合には地面から上空に放射による熱輸送が行われます。そして地面から上空にかけて温度勾配が大きい場合には、熱輸送と同時に対流現象が起こります。対流現象の発達については「レイリー数」と呼ばれる値が関わってきます。レイリー数が臨海レイリー数以下の場合には、対流現象が減衰し、臨海レイリー数を超える場合には対流現象が発達していきます。レイリー数は温度勾配に比例、熱伝導率及び、粘性抵抗に反比例するなどの様々な要素の値が関わってきますが、要するに対流現象を発達させる係数であると考えてください。

 

 今回は3つの運動方程式である移流方程式、熱支配方程式及び質量保存の式から、べナール対流を起こす運動方程式を導き出して、2次元平面上でのべナール対流を考えました。運動方程式は3つ導出されますが、全て非線形微分方程式であるため、数値解析を行います。時間については前進差分、空間については中間差分を用いて方程式を離散化します。縦、横比率は1 : 2として、レイリー数は臨海レイリー数(およそ700)を超える値である1,000とします。また時間間隔は0.0002で、t = 2 , 6のときの温度、渦度、流れ関数の値を計算。温度は地面でT = 1,上空でT = 0として温度勾配が一定である場合を想定します。そして考えている領域の中心で温度擾乱T = 0.01を与えた場合に時間変化でどのような対流現象が生ずるかをシミュレーションを行いました。ちなみに温度擾乱を与えなければ対流は生じないのです。境界条件は、常に全ての値について、考えている領域の水平方向に対しては周期的境界条件を適用し、上端、下端は0であるとしています。

 

以下の画像は、t = 2,6それぞれの場合の温度、渦度、流れ関数の値です。

 

1.t = 2のとき

(1) 温度の値

(2) 渦度の値

(3)流れ関数の値

 

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