・HR図

 

 

 

 HR図は個々の恒星について、温度(もしくは色指数)と絶対等級の関係をプロットした図です。横軸は温度もしくは色指数、縦軸は実視等級もしくは絶対等級を表します。ちなみに温度が低いほど赤い光を放射し、温度が高いほど青い光を放射します。上の図はよく知られている主な恒星といくつかの赤色矮星の絶対等級をプロットしたものです。vバンドにおける色指数と年周視差のデータをNASAのヒッパルコス星表から抽出し、絶対等級を計算してプロットしました。横軸はb-vバンドにおける等級、縦軸は絶対等級としています。b-v colorの値が小さいほど青く光り、値が大きいほど赤く光ります。また絶対等級は値が小さいほど光の強さが強いことを示しています。

 

 上の図からわかるように、b-v colorが大きくなるにつれて絶対等級の値が大きくなる(つまり暗くなる)帯と、b-v color 1~の値でb-v colorが大きくなるにつれて絶対等級が小さくなる(つまり明るくなる)帯が存在することがわかります。前者は主系列星、後者は赤色巨星と呼ばれます。

 

 一般的な星は主系列星であり、青い星は明るく輝き、赤い星は光が弱いという性質を持っています。赤色巨星は星の進化の過程で核融合反応がどんどん進み、星の半径が大きくなったために温度が低くても明るく輝く性質を持っています。赤色巨星は主系列星よりも古い年代の星です。

 

 球状星団は赤色巨星を多く含んでいるため、銀河形成初期から存在する天体であることがわかります。