ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた不規則渦巻銀河・NGC5486

3月11日

 

 

 

図1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick.

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた不規則渦巻銀河・NGC5486の姿。

 

 NASAは10日、ハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)によって撮影された不規則渦巻銀河・NGC5486の写真を公開した(図1)。背景には地球からはるか遠くにあるため、わずかな光しか見えていない銀河がたくさん存在するが、中央にはひと際目立つNGC5486の姿がある。写真をみると、NGC5486の中央は明るく輝いているが、ぼんやりとした光であり、明確な中心核を持っていないことがわかる。そのまわりには銀河円盤が星形成領域を示すピンク色の部分とともに広がっている。またこの銀河は渦巻構造をしているが、渦巻の形が不明瞭であり、曲がりくねった状態であることがわかる。

 

 NGC5486は地球からおおぐま座方向およそ1億1000万光年に位置しており、風車銀河M101の近くにある。今回の写真はⅡ型超新星(*注1)の残骸をHSTによって探査している過程において撮影された。NGC5486は2004年に超新星が確認されている。なお超新星に伴い、巨大星が生涯を終え、大量のガスや塵を放出する。

 

 今後もHSTによるNGC5486の調査が行われていき、この銀河で起きた超新星による銀河内のまわりへの影響が理解されていくことが期待されるとしている。

 

*注1 星が進化の果てに明るく爆発する現象を超新星と呼ぶが、その超新星の一種。Ⅱ型は太陽質量の8倍以上の重い星の進化の最終段階で、中心核が重力崩壊し、その反動で外層部が吹き飛ばされて爆発すると考えられている。