まるで森のように星が集まった銀河

2月12日

 

 

 

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, M. Messa.

ほうおう座方向約1500万光年の場所に位置する不規則銀河・ESO 245-5。

 

 ESAは5日、ハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられた、まるで森のように星が集まった銀河・ESO 245-5の写真を公開した(写真1)。写真を見ると、どこに銀河があるのかよくわからないという印象を持つが、塵やガス、遠くにある天体からの光を背景に置き、写真全体に銀河の姿が写る。

 

 ESO 245-5はほうほう座方向約1,500万光年の場所に位置し、比較的天の川銀河近傍の場所にある。銀河というと渦巻銀河が一般的であるが、ESO 245-5はしっかりとした構造を持たず、ドゥ・ボークルール法の銀河分類におけるIB(s)mタイプ(*注1)という不規則銀河に分類される。

 

 しかしESO 245-5の場合においては不規則銀河というよりも、はっきりとした特徴がみられない銀河という表現が適切である。写真をみると星がかなり散らばっているように見えるが、実際には重力的に束縛されており、中心には伸ばされた棒のように星が集まっている。また全体を見るとはっきりとした渦巻構造は見られないが、中心付近にある紫色で示された星の集団が、少しだけS字のような形をしていることから、この銀河が渦巻銀河であることを示唆している。またESO 245-5はマゼラン雲と同じように、2つの矮小銀河が衝突してできた銀河であると考えられており、多様な性質を持つ。

 

*注1 不規則銀河(Irregular)、棒状銀河(barred)、少しだけ渦巻を持つ渦巻銀河(slight spiral structure)、マゼラン雲タイプの銀河の性質を併せ持つ銀河のこと。