ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた活動的な星形成を行う銀河・IC 3476

2月24日

 

 

 

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, M. Sun.

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた活動的な星形成を行う銀河・IC 3476。

 

 ESAは19日、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された、かみのけ座方向約5400万光年離れた場所にある矮小銀河・IC 3476の姿を公開した(写真1)。中心付近を見ると特に明るく輝く様子はなく、塵に覆われており、そのまわりを渦巻腕が水流のように渦巻いている。写真全体をみると劇的に銀河が変化している様子はなく、晴れ渡った空のような穏やかな様子に見える。しかし実際には動圧(*注1)が銀河にかかっている最中であり、銀河の中で活動的な星形成が行われている。写真において弧状に光り輝く帯のようなものが存在するが、ここで活動的な星形成が行われている。

 

 通常動圧が銀河にかかると、銀河から星の材料となるガスがはぎとられ、星の形成が止まる。しかし動圧が銀河中心部分のガスを圧縮する場合があり、これによってむしろ活動的な星形成が銀河の中心付近において行われることがある。今まさにこの活動的な星形成がIC3476において行われている。

 

*注1 銀河が銀河団物質(ガスや塵)の中を進む際に、その物質から受ける摩擦力のこと。ラム圧ともいう。