動圧を受けて星形成が活発に起こる銀河の姿

3月17日

 

 

 

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, M. Sun.

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたおとめ座銀河団中の矮小銀河・LEDA 42160の姿。

 

 NASAは15日、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された矮小銀河・LEDA 42160の写真を公開した(写真1)。銀河右下において複数の明るい斑点が存在するが、この場所において星形成が活発的に行われている。

 

 LEDA 42160はおとめ座方向約5,200万光年先に位置する矮小銀河であり、おとめ座銀河団の中の銀河団ガス中を突き進んでいる。銀河団ガス中を突き進むと動圧(ラム圧)と呼ばれるガスからの摩擦力を受ける。通常はこの動圧を受けると銀河中のガスや塵がはぎとられ、星形成率が減少する、もしくは星自体が形成されなくなるといったことが起こる。しかし逆に動圧を受けることで銀河中のガスが圧縮されて星形成が活発化することもある。

 

 写真1は、おとめ座銀河団中の矮小銀河が動圧を受けたときに、星形成にどのような影響を与えるのかを研究する目的で撮影された写真である。研究者たちはこの研究を通じて、おとめ座銀河団中の大きな銀河において、この動圧が新たな星を生み出す要因になることを発見した。そしてLEDA 42160が写る写真1を見ると、この銀河の右下の領域において明るい斑点のようなものが複数写っている。これはまさに動圧によって矮小銀河においても星形成が活発化していることを示している。

 

 ハッブル宇宙望遠鏡によるLEDA 42160の観測データの解析によって、今後新たな特徴が見いだされることが期待されるとしている。