10月11日

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, L. C. Ho, G. Brammer, A. Filippenko, C. Kilpatrick.
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河・NGC 6951の姿。
ESAは6日、ハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)によって撮影された渦巻銀河・NGC 6951の写真を公開した(写真1)。中心には黄金色に輝く棒状構造が存在し、さらにその中心には明るく輝く点が存在する。その周りには多くの星団候補が存在する星形成領域のリングがあり、青色に輝いている。そのリングから平行に塵で構成された黒い線が走っており、大きく開かれた渦巻腕につながっている様子が写し出されている。全体的に珍しい姿の形をしているのが、印象的である。
NGC 6951は、ケフェウス座方向約7,000万光年離れた場所に位置する。写真1を見て最も目立っているのは、その大きな渦巻腕である。渦巻腕は、星雲がある場所を示す赤色の領域や、青色に輝く星、塵が存在するフィラメント構造で成り立っている。また中心の棒状構造は黄金色に輝いているが、これは古い星が多く存在することを示している。この棒状構造は横に長く伸びており、ゆっくり回転する棒状構造であることを意味している。
そしてこの棒状構造の中心に、中心の明るい点を囲む青いリングが存在する。この青いリングは爆発的星形成リングと呼ばれ、直径は約3,800光年である。その名の通り、多くの星が一度に形成され、80もの星団候補が存在すると考えられている。このリングに存在する星の年齢は1億年以内程度であるものの、そのリング自体の年齢は星よりも長く、10億~15億年程度であると見積もられている。棒状構造に平行に走る黒い線をつたって、棒状構造にあるガスがこのリングに供給されており、星の材料となる。
今回公開された写真は、近傍銀河における塵の分布図作成や、超新星の研究を行うためにHSTによって撮影されたものである。NGC 6951には、6個程度の近年起きた超新星が確認されており、その現象理解に役立つとしている。