3. はやぶさ2

 

 はやぶさ2は2014年から2020年まで稼動する予定である。はやぶさは工学試験探査としての役割をもっていたが、はやぶさ2は本番機として大きな期待が寄せられている。打ち上げにはHⅡAロケットを用いて、少しでもはやぶさ2の負担を減らすようにすることを心がけた。はやぶさ及びはやぶさ2はイオンエンジンを4機搭載するものである。はやぶさのときにはイオンエンジンのみで地上からの発射を行い、その1部分が損傷するという事態に至った。今回のはやぶさ2の打ち上げではその反省を活かして打ち上げられたというわけである。

 

 はやぶさ2は先に紹介したりゅうぐうを目指して航行を進めていて、2018年夏に到着する予定とのことだ。りゅうぐうに到着したらまた地表面のサンプル採取をすることを目指している。はやぶさ2には着陸用ロボットのローバ、ミネルバⅡを搭載。また海外との協力でMASCOTというものを搭載し、りゅうぐうの地表面を分析できるようにするとのことである。また小惑星は暗い場所が多いため、赤外線観測を重視している。

 

4. イオンエンジンの未来

 

 西山教授はイオンエンジンの研究を続けており、μ20イオンエンジンというエンジンの作成に取り組んでいる。従来のイオンエンジンの噴射口の口径を2倍にして、4倍の推進力化を目指している。
 また国に提案している課題として、木星トロヤ郡小惑星探査計画があり、太陽光による発電を重視したソーラー電力セイルを用いた計画実施をすべく交渉中であるとのこと。日本でもふたご座流星群をたまに見ることが出来るが、その母天体であるフェイトンという小惑星探査の計画、ミッションdestinyについても計画中であり、強力なイオンエンジンを用いて探査を行うことも目指している。この計画についてはイプシロンロケットを用いて予算135億円で安く打ち上げることが出来るとしている。小惑星フェイトンは先に紹介した小惑星の中でも直径が大きなパラスのかけらなのではないかと推測されており、それを実証するための探査としてミッションdestinyは大きな役割を担いそうである。

 

*内容を修正して再送します。

 

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