連星の楕円運動

・連星の楕円運動

 

 連星とは2個の星が重力相互作用によってお互いのまわりを回りあっている天体のことをいいます。 今回は連星の運動について考えます。

 

 2物体からなる系は2体系と呼ばれ、その運動を考える問題は2体問題と呼ばれます。2体問題は、2個の物体の重心の運動とその周りの相対運動に分離することで解くことができます。この重心の運動と相対運動がわかれば、2物体の位置を特定することができるのです。

 

 上のアニメーションでは緑色の星と紫色の星で質量比が 2 : 1の場合を想定しています。2物体の位置を質量比で内分した点が重心になりますが、その重心を原点に設定しています。そして相対運動は、楕円運動を表すケプラーの法則を適用しています。質量が軽い星が、重い星のまわりを大きく楕円運動している様子がわかります。またケプラーの法則における「面積速度が一定」という法則により、重心から離れるにつれて星の速度が速くなります。

 

以下は質量比が 1 : 1の場合と 10 : 1の場合です。

 

( 1 ) 1 : 1

 

( 2 ) 10 : 1

 

ケプラーの法則はドイツの天文学者ケプラーが1609年~1618年に発見した法則であり、次の3つの法則があります。

 

・惑星の軌道は太陽を1つの焦点とする楕円である。

・太陽から1つの惑星に引いた動径の描く面積速度は一定である。

・諸惑星の公転の周期の2乗は、惑星の長軸の3乗に比例する。

 

・惑星の運動

 

 3体問題における8の字解について興味がある方は以下を参照

 

・3体問題の8の字解