上のアニメーションはブラウン運動をランジュバン方程式を用いてシミュレーションしたものです。(散らばった点はブラウン運動の軌跡です。)

 

ブラウン運動とは、ある粒子が水などの流体中において非常に細かく行うランダムな運動のことです。流体中ではランダムな力(搖動力(ようどうりょく))、及び抵抗力が働きますが、この2つの項目を含んだ方程式を「ランジュバン方程式」と呼びます。

 

今回は抵抗力を速度に比例する力として、係数は簡単に1としました。搖動力は平均0、分散がΔtとしてガウス分布に従ったランダムな値を与えています。

 

以下に10,000個の粒子をブラウン運動させて、時間ステップ数が5,000、10,000回(時間間隔Δt=0.00001)のときの画像を示します。

 

(1) 時間ステップ5,000回

 

(2) 時間ステップ10,000回

 

 

粒子に働くようどう力が、分散Δtのガウス分布に従ったランダムな値を与えているため、時間が経てば経つほど粒子が拡散していきます。粒子の中心密度が高くなっている様子がこの画像から一目でわかります。

 

 またブラウン運動をする粒子が、ある時間にある位置に存在する確率を表す方程式が存在し、その方程式をフォッカー・プランク方程式と呼びます。フォッカー・プランク方程式を解くことで粒子の確率密度関数を求めることができます。ここでは説明を省略しますが、概ね拡散方程式と同じような式(拡散方程式と全く同じ形になる場合もあります。)が導出されます。上の画像を眺めても何となく拡散方程式に似ているような気がします。

 

・拡散方程式